岩手の家は、夏はすぐ暑くなり、冬はあっという間に冷える。
遠野・花巻・北上・盛岡、どの市でもよく聞く悩みだ。
この「室温が変わりやすい理由」、多くの人が意外と知らない。
実は、原因の中心は “窓の熱移動” にある。
家の性能が悪いわけではなく、
岩手という土地の厳しい気候 × 窓が持つ物理的な性質
この組み合わせで、室温が乱れやすくなっている。
1. 岩手は「夏の日差し」と「冬の冷え込み」が極端
■ 夏:直射日光のエネルギーが大きい
湿度が低い時間帯が多く、太陽光の熱がそのまま室内に入りやすい。
特に、掃き出し窓・大きい窓は
室内に熱がまっすぐ届く。
■ 冬:放射冷却でガラスが一気に冷える
夜になると外気温よりも窓ガラスが先に強く冷える。
その冷たいガラスが、
室内の暖気を吸い取るように奪ってしまう。
2. 熱の“出入りの多く”は窓が原因
国交省のデータでも、
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夏の熱の侵入:およそ7割が窓から
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冬の熱の流出:およそ6割が窓から
と言われている。
つまり、
窓を整えるだけで室温の安定度が大きく変わる。
3. 岩手の家で温度が乱れやすい典型シーン
どの家にも起きやすい“よくあるケース”だけを紹介する。
● 掃き出し窓のリビング
→ 夏:直射で急上昇
→ 冬:足元が冷える
● 東・西向きの大きい窓
→ 朝夕の太陽が強く当たる
● キッチンの横滑り窓
→ 日差しが入りやすく室温が上下しやすい
● カーテンだけで対策している
→ 熱自体は止められないため、効果が限定的
どれも、家の構造ではなく「窓の性質」で起きている現象。
4. 室温が乱れる理由:熱の3つの動き
① 直射(日射熱)
日差しがガラスを通って室内に熱を運ぶ。
② 伝導
ガラスそのものが熱く・冷たくなり、
空気と触れて室温が変わる。
③ 輻射
冬は、暖房の熱がガラス表面から外へ逃げていく。
これが全部、「窓」が通り道になっている。
5. 岩手で効果が出やすい窓対策(営業抜きで優先順位)
■ ① 遮熱・断熱フィルム
最も効果が出やすく、コスパも良い。
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夏 → 日射熱を大幅にカット
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冬 → 暖気が外へ逃げにくくなる
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結露の軽減
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UVカットで日焼け対策
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西日・眩しさの軽減
幅広い悩みを一度にカバーできる。
■ ② カーテン・ブラインドの組み合わせ
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遮光
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遮熱レース
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ハニカム構造
などを工夫することでさらに安定する。
ただし、熱そのものを止めるにはフィルムが一歩上。
■ ③ 内窓(二重窓)・サッシ調整
気密性・断熱性は大幅UP。
ただし費用と施工規模が大きくなるため、
「まずフィルム → 次に内窓」が合理的。
6. 室温が安定すると生活がこう変わる
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エアコン効率UPで電気代が下がる
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冬の“足元だけ冷たい”が消える
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夜になっても暖房がよく効く
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結露が減り、カビ発生のリスク低下
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ペットや子どもが快適
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朝夕の“急な温度差”が軽くなる
岩手の生活がかなりラクになる。
まとめ
岩手は、
気候の厳しさ × 窓の熱移動の割合の大きさ
によって室温が乱れやすい。
逆に言えば、
窓対策を整えるだけで、家全体の快適さが大きく変わる。
家を否定する必要も、工事を大がかりにする必要もない。
窓の性質を理解して上手に対策するだけで、
“夏も冬も住みやすい家”に変わる。