暖房を入れているのに寒い。
設定温度を上げても、思ったほど暖かくならない。
暖房を強めてるから暖房費が気になる…
それ、暖房の性能不足ではありません。
部屋が寒いのには、ちゃんとした理由があります。
しかもその理由は、学校の理科で習った内容ばかりです。
理由①|伝導
ガラスを通して、熱が逃げている
― 子供のころ、理科の実験でやったあれです
熱は、温かいほうから冷たいほうへモノを通じて移動します。これが「伝導」。
たとえば、ロウを塗った銅板を蝋燭の火であぶると火に近いところから順番にロウが溶けていく。
あの実験を思い出してください。
ロウが溶けていく順番は、熱が一方向に伝わっている証拠です。ガラスも同じです。
冬の室内では、
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室内の暖かさが
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ガラスを通して
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屋外へ一方向に逃げ続ける
つまり、暖房で作った熱が、窓から外へ流出している状態です。
▶ 伝導への対策
窓を二重化する
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複層ガラス(ペアガラス)
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内窓(二重窓)
ガラスとガラスの間に空気の断熱層を作ることで、熱が伝わりにくくなります。
(なるべく密閉するのが条件です)
※ 内窓のデメリットも知っておく
内窓は効果が高い一方で、使い勝手のデメリットもあります。
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窓を開ける動作が一手間増える
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窓が二重になるため、掃除の手間がほぼ2倍になる
特に、
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換気の頻度が高い家
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窓掃除をこまめにしたい人
には、少しストレスになることもあります。
👉 伝導対策は効果と生活のしやすさを天秤にかけて選ぶのが正解です。
理由②|対流
冷えた空気が、足元に落ちてくる
― これも実験でやったと思います
ビーカーの中に、
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おがくず
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味噌
などを入れて、水の流れを見えるようにした実験。
下を温めると、温かい水は上へ冷たい水は下へ沈みます。
これが「対流」です。
室内では少し分かりづらいですが、起きていることは同じです。
窓は伝導や放射によって熱を失いやすく、その結果ガラス付近の空気は冷たくなりがちです。
すると、
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窓付近の空気が冷える
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冷えた空気が床へ落ちる
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足元が寒くなる
これがコールドドラフト現象。
窓の場合は下を温めるのではなく、横を冷やして起きる対流なので気づきにくいです。
▶ 対流への対策
冷気の流れを止める/弱める
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内窓
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寒さ対策用カーテンと窓下の断熱ボード
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サーキュレーターで部屋の空気をかき混ぜる
サーキュレーターで空気を循環させると、冷えた空気が床に溜まり続けるのを防げます。
ポイントは冷えた空気が落ちてこないようにすること。
👉 対流対策は空気の動きをコントロールする工夫です。
理由③|放射
暖房の熱が、電磁波のまま外へ抜けている
― 子供の理科実験では体験しづらい現象
太陽が暖かいのは「放射」。
触れなくても、熱は届きます。
室内でも同じで、
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人
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床
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壁
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暖房で温められた空気
これらが持つ熱は赤外線(電磁波)として常に放射されています。
問題はここです。
ガラスは、赤外線を通しやすい素材。
つまり冬は、
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室内の熱が
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電磁波の形のまま
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ガラスを通過し
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外へ逃げ続けている
この現象は学校の理科実験では再現しづらいため、一番わかりにくく見落とされがちな寒さの原因です。
▶ 放射への対策
外へ放射される熱を抑える
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ガラス交換(Low-E複層ガラス)
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Low-E窓フィルム
Low-Eフィルムは、
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赤外線を抑制する金属層を持ち
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室内から外へ放射される熱を
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完全ではないものの、カットして逃がしにくくします
👉 放射対策は窓フィルムが取り入れやすい現実解です。
じゃあ、どうするのが一番効く?
答えはシンプル。全部やること。
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内窓で
→ 伝導・対流を抑え -
カーテン・ボード・サーキュレーターで
→ 冷気の動きを止め・散らし -
Low-Eフィルムで
→ 放射による熱損失を抑える
これが揃うと、
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暖房の効きが変わる
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足元が寒くない
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設定温度を上げなくて済む
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暖房を止めた後でも、暖かさが長く残る
= 体感が別物になります。
まとめ
対策はそれぞれ別。
そして組み合わせるほど効く。
暖房を強くすればするほど暖房費は確実にかかります。
大切なのは暖房で作った熱を逃がさないこと。
「とりあえず暖房を強くする」けど、対策には「窓を疑う」
それだけで、冬の過ごしやすさは大きく変わります。

